(三井物産) 船内エネルギー効率の最適化を推進するフィンランドの船用システムインテグレーターへの出資参画

こんにちは。今回は三井物産が2023年9月1日にプレスリリースした新規取組を、①ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察、➁関連用語を豆知識として紹介します。

ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察

  • 三井物産での船舶トレーディング事業、船舶保有事業の顧客ネットワークを活用することで、同社製品の販売拡大が期待されている。
  • 海運業界の脱炭素化を促進しながら、同社に出資参画してファイナンス面で支援することで同社の成長も取り込むことを可能としている。
  • 伝統的な商社のトレーディング事業等から得られる業界ネットワークを活用し、業界トレンドを把握した上で、事業投資へと発展させる商社が得意とする取り組み。本邦海事クラスターの競争力強化が実現し、日本の海運産業の発展に寄与する案件になればと思います。

<プレスリリース情報を参考にビジネスモデルキャンパスを作成>

(パートナー)
・WE Tech
・三井物産

(主要活動
次世代船舶エネルギーシステム提供
(価値提案)
造船所に対し船内エネルギー効率の最適化を提供
(顧客との関係)
ワンストップサービス
(顧客セグメント)
電力需要が大きい船舶保有業者
(リソース)
エンジニア、アフターサービス、販促人員
(チャネル)
重要顧客ネットワーク活用
(コスト構造)
・システム設計・開発関連費用
・人件費(エンジニア、アフターサービス、販促)
(収益の流れ)
製品システム販売
アフターサービス

出典:三井物産ホームページ、プレスリリース(2023年9月1日)、”船内エネルギー効率の最適化を推進するフィンランドの船用システムインテグレーターへの出資参画”

https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2023/1247227_13930.html

今回の豆知識

  • システムインテグレーター:個別のサブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させるシステムインテグレーション事業を行う個人や企業を指す言葉である。SIer(エスアイヤー)とも。
  • 海事クラスター:様々な産業が直接・間接に関係する産業群のことを、ぶどうの房(クラスター)が隣り合って密集していることになぞらえて産業クラスターといい、特に海事産業群は「海事クラスター」と呼ばれる。日本の海事クラスターは、海運業、造船業を中核に舶用工業や港湾運送のほか、法務、金融、保険などといった業種が広がる形で構成されており、海運大国かつ造船大国である日本の海事クラスターは売上高や従業員の規模が大きく、日本全体に与える影響が高いとされている。

出典:Wikipedia システムインテグレーター

出典:一般社団法人 日本船主協会 用語解説 海事クラスター

https://www.jsanet.or.jp/glossary/wording_txt_ka.html

その他:フィンランド基本情報

  • 面積は33.8万平方キロメートルと日本よりやや小さい国ですが、人口は約553万人(2021年、IMF)と日本の半分以下でした。在留邦人数は2,517人(2021年10月現在)。
  • 主要産業は森林資源をいかして製紙・パルプ・木材ですが、金属・機械産業もあり、近年は情報通信産業が台頭。名目GDPは2,988億ドル(2021年、IMF)と日本の約1/15ですが、国策としてICT技術等を活用する技術・データ集約型産業への転換など、産業の多様化が促進されており、フィンランドからWE Tech社のような競争力ある情報通信・技術会社が育ってきていると思われます。

出典:外務省 フィンランド基礎データ

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/finland/data.html
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