こんにちは。今回は三菱商事が2023年9月1日にプレスリリースした新規取組を、①ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察、➁関連用語を豆知識として紹介します。
ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察
- 八代市はモデル事業導入の場を提供、九州電力、NTTグループは関連技術・ソリューションで貢献、三菱商事は同プロジェクトのプロマネ、関連ノウハウの共有という側面で支援するのではないかと考えます。
- 三菱商事の担当部署はDX関連部門と記載あるので、他案件のDX実務ノウハウの提供が役割期待の一つと思われますが、もう少し具体的な役割期待を知りたいと感じました。
- モデル事業への取組という位置づけの為、同プロジェクト単体での定量貢献は大きくはないと思いますが、三菱商事が掲げるマテリアリティ(重要課題)の”脱炭素社会への貢献”、”地域課題の解決とコミュニティとの共生”を日本国内で実現していく良い事例になればと期待します。
<プレスリリース情報を参考にビジネスモデルキャンパスを作成>
(パートナー) ・八代市 ・九州電力 ・NTTアノードエナジー ・三菱商事 | (主要活動) 再生可能エネルギーを最大限導入 | (価値提案) 熊本県八代市の「ゼロカーボンシティ」戦略を2050年までに実現させることで、”スマートシティーやつしろ”を推進 | (顧客との関係) パートナー4社による再エネ分野の連結協定締結 | (顧客セグメント) 八代市住民 | |
(リソース) ・再エネ設備導入 ・住宅用太陽光発電設備普及 ・電動車導入 ・大型蓄電所導入 ・地域新電力、配電事業設置 | (チャネル) ソーシャルメディア等 | ||||
(コスト構造) ・設備、インフラ構築費用(人件費含む) ・国の脱炭素関連予算・補助金活用検討 | (収益の流れ) ・八代市への再エネ関連設備の販売 ・八代市での配電事業運営等によるサービス提供 |
出典:三菱商事ホームページ、プレスリリース(2023年9月1日)、”八代市、九州電力株式会社、NTTアノードエナジー株式会社及び三菱商事株式会社による 八代市におけるカーボンニュートラルの早期実現に向けた取組みに関する連携協定締結”
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2023/html/0000051892.html
今回の豆知識
- ビジネスモデルキャンパス:アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュールが、2010年発行の著作『Business Model Generation』(日本語訳『ビジネスモデル・ジェネレーション』、2012年発行)にて提唱した。両氏はビジネスモデルを「どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの」と定義し、9つの要素に分けている。
- マテリアリティ:さまざまな社会的課題のなかで、企業が優先して取り組むべき「重要課題」のことです。もともとは、財務情報の開示用語として使われていた言葉でした。近年は、非財務情報(E:環境・S:社会・G:ガバナンス)に関する取り組みに対して用いられることが多くなっています。
- 再生可能エネルギー:エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。
出典:ビジネスモデルキャンパス:グロービス経営大学院、MBA用語集
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-20854.html
出典:マテリアリティ:SDGsコンパス、マテリアリティとは?SDGsとの関係や活用方法、企業事例を紹介
https://sdgs-compass.jp/column/1911
出典:再生可能エネルギー:経済産業省、資源エネルギー庁、再生可能エネルギーの定義
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html
その他:新八代駅へのアクセス
熊本駅から新八代駅へは九州新幹線を利用する場合は11分、在来線でも35分でアクセスできるようです。スマートシティ開発が見える形になってきたら(熊本ラーメンも美味しいですし)訪れてみたいです。