(住友商事) EVバッテリー・ステーション千歳の稼働開始~エネルギーインフラの新時代を切り開く系統蓄電池事業の幕開け~

こんにちは。今回は住友商事が2023年9月13日にプレスリリースした新規取組を、①ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察、➁関連用語を豆知識として紹介します。

ビジネスモデルキャンパスによる商社の役割考察

  • 系統用蓄電事業という新しい事業分野の制度化・安全ルール作りを、民間企業として国や関連当局と協議していくプロジェクトマネージャー的な役割を担っていると考えます。
  • 同事業は、新規民間事業者が広域送電系統(特別高圧帯)への調整力を提供する国内で初めての系統用蓄電池システムへの参入と記載されており、時代の潮流を捉えて、新規事業を開拓してく商社の本来の役割を発揮している取り組みだと感じます。
  • ビジネスモデルキャンパスの”顧客との関係”、”収益の流れ”を考えて際に、同サービズをどのように提供していくのかという点は興味を持ちました。同蓄電事業は、電力の需給バランスを安定化させる補完的な役割と思いますので、現在の主要電力の供給元である電力会社に対して同サービスを提供していくのか、又は直接最終顧客にサービスを届けるのか等、勉強していければと思います。

<プレスリリース情報を参考にビジネスモデルキャンパスを作成>

(パートナー)
・千歳第一蓄電所
・住友商事
フォーアールエナジー株式会社
(主要活動
・系統用蓄電事業
・EVバッテリーの活用
(価値提案)
北海道を含む広域への再生可能エネルギー普及拡大
(顧客との関係)
新エネインフラ提供促進
(顧客セグメント)
電力会社等、北海道住民
(リソース)
・EVバッテリーステーションの設備、運営人員
(チャネル)
地域に根差した利用促進活動
(コスト構造)
設備費及び同運営費用(補助金活用検討)
(収益の流れ)
同サービス提供による収入

出典:住友商事ホームページ、プレスリリース(2023年9月13日)、”Vバッテリー・ステーション千歳の稼働開始~エネルギーインフラの新時代を切り開く系統蓄電池事業の幕開け~”

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2023/group/17020

今回の豆知識

  • 系統用蓄電池:電力系統や再生可能エネルギー発電所などに接続する蓄電池で、太陽光発電や風力発電などを利用して蓄えた電力を、家庭や建物の電力需要を補完するために使用する蓄電池のことです。
  • 広域送電系統(特別高圧帯):電力は、電圧によって「低圧」「高圧」「特別高圧(特高)」に分けられます。低圧は「50kW未満で一般家庭や商店」、高圧は「50~2,000kWの施設」を対象にしています。特別高圧は「受電電圧が2万V以上、契約電力が2,000kW以上の大規模施設」が対象となります。
  • ワット(W):仕事率や電力・効率・放射束をあわらず、SIの単位である。単位時間あたりの実際に消費される電気エネルギーの大小を表し、値が大きいほど単位時間あたりに電力を多く消費する。

出典:産業用リチウムイオン電池開発・製造. com 蓄電池コラム 系統用蓄電池とは?

https://battery-manufacturing.com/column/keitou

出典:エネチェンジBiz 特別高圧とは?

https://business.enechange.jp/blog/extra-high-voltage-power-service

出典:Wikipedia ワット

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%88

その他:23メガワット時の貢献量

千歳第一発電所の実行容量は23メガワット時と記載がありましたので、どれくらいの世帯の電力消費量を支えるものかを調べてみました。標準的な量として一般家庭の年間消費電力量は約4~5kWhという統計結果が多いようですので、同発電所が順調に稼働すれば、約5,000世帯の年間の電力消費量を支えるポテンシャルがあり、同取り組みを通じて、国内の持続的な社会の実現に貢献することを期待します。

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